『ウチの会社は社員に●●な働き方を求めている』という社長の想いと、社員が自ら考える労働者としての権利、例えば、休暇とか、残業とか、これらが1人ひとりズレているため労働トラブルが起きるのですが、これは、就業規則を、社長のあなたが社員に求める『仕事に対する価値観』を土台にして作ることで防げます。

01 仕事に対する価値観とは
マナーと価値観が労働トラブルの原因

たとえば、9:00始業の職場で、上司や先輩のいつもの出社時刻が8:45ならば後輩の自分はそれよりも早く出社すべきと考えるのか、周囲の出社時刻に関わらず8:59に出社すれば規則違反ではないと考えるのか、ということです。

あるいは、部署内で特に担当者が決まっていないが、しかし誰かがやらなくてはいけない庶務的な作業に対して、そもそも自分は担当ではないと全く手を出さないのか、あらたな経験を積むチャンスと積極的に関わろうとするのか、すべきことは認識しているができれば自分の負担を増やしたくないので避けようとするのか、人事評価の対象に「積極性」があればアピール材料として取り組むけれども評価対象に無ければ無視するのか、ということです。

仕事に取り組むときの心構えや社会人としてのマナーといった、大人一人ひとりが持っている考え方が、ここでいう『仕事に対する価値観』です。


そして、あなたの会社の仕事に対する価値観に共感した人に入社してもらい、共感しない人には去ってもらえば、社内は同じ価値観で統一され、社員同士が温度差なくブレることなく仕事に取り組むことができ、人間関係のもつれが原因の労働トラブルはほぼゼロになります。

逆に言えば、社員一人ひとりの仕事に対する価値観がバラバラでいる限り、本音と建て前がぶつかり合ったり、頑張る人と隠れてサボろうとする人が混在したりして、職場内の人間関係がややこしくなり、労働トラブルに発展するのです。当然のこととして、職場全体のモチベーションは下がり、業績も悪化します。


02 就業規則は労働トラブルを防ぐツール
労働基準法では労働トラブルは防げない

労働基準法では、社員が10人以上の場合には就業規則を作りなさい、と定めていますが、この法律を守ることだけを目的に作成したのでは、労働トラブルを防ぐことはできません。
就業規則というのは、労働トラブルの解決の判断基準として裁判で使われるものです。ですから、トラブルを想定して、言い換えれば、社員から労働トラブルで訴えられても裁判で会社が勝つ規定にしておく必要があります。それよりもさらに、トラブルが起きないようにして社長が対応に巻き込まれないようにしておかないと、社長本来の仕事ができなくなってしまいます。

ところが、プロが作成した就業規則なのに、労働トラブルが減らない、あるいは、いざ裁判になったら負けてしまう、ということがよくあります。それは、社長のあなたが社員に求める『仕事に対する価値観』を就業規則の中に土台として盛り込んでいないからなのです。

仕事に対する価値観を就業規則の各条文に反映させていなければ、仕事に取り組むときの心構えの目に見える統一基準がないため、社員たちがバラバラの価値観のままで仕事をすることになり、しかもそれが自分なりに会社のために良かれと思っていると自己主張を押し通そうとするため、いずれ労働トラブルが発生してしまうのです。

就業規則を作る目的は、一言でいえば、仕事に対する価値観が統一された社員の集団をつくるためなのです。
03 無料ダウンロードひな形の落とし穴
ひな形をそのまま使ってはいけません

例えば、厚生労働省・東京労働局のホームページから就業規則が無料で誰でもダウンロードできます。
約80頁のボリュームで、しかも条文ごとの解説や注意点もついていますから、「これをこのまま使えば大丈夫だろう」と思いがちですが、実は大間違いです。

厚生労働省という役所は、不利な立場におかれやすい労働者を保護するための様々な政策を実行する役所です。つまり労働者の味方です。ということは、ここで用意された就業規則のひな形は、労働者100%保護の超ホワイトな内容になるのは当然です。あなたの会社が超ホワイト企業を目指すなら別ですが、厳しい経済情勢のなかでギリギリの経営を続けているあなたの会社でこんなのを使ったら、社員から権利主張されまくり訴えられまくりで賠償金倒産してしまいます。


プロの目で労働関係の法律を丁寧に読み込めば、意外と会社有利に就業規則を作れるようになっているのです。役所のひな形が推奨されるなんてルールはありません。社会常識に反しない限り、社長のあなたが社員に求める働き方をそのまま文字にして大丈夫です。むしろ、もっとワガママに作るべきなのです。

あなたの会社の仕事に対する価値観に合った、そして労働トラブル解決の判断基準となるような、もちろん社員の持つ労働者としての権利もそれなりに守りつつ、という微妙なバランスの上に立ったグレーゾーンギリギリルールを、あなたの会社の仕事に対する価値観に合わせてオリジナルで作成しないと意味がないのです。
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