労働トラブルを未然に防ぐ一番の方法は、トラブル原因が外から会社に新しく入ってこないようにするための採用方法の見直しなのですが、あなたの会社が風土として持っている『仕事に対する価値観』を応募学生にはっきり伝えきれていないために、入社後のミスマッチとなり、労働トラブルを起こしたあげくに辞めてしまうのです。
経済全体が右肩上がりの成長をしていたため、ブランド企業だけでなく、中小企業も含めて、組織で一致団結して頑張れば頑張った分だけ会社の業績を上げることができ、その結果、同じ会社に長く勤めれば、社内での地位が上がり(出世)、給料も上がる(年功給)という個人レベルでの成功モデルが約束されていたからです。
始業時刻だけを伝えるのではなく、ウチの若いモンは30分前から積極的に頑張っているから、ぜひ君も先輩たちに負けないよう頑張ってもらいたい、という内容なのです。
または、ウチの若いモンはとてもスマートで、8:59に出社しても1分後の9:00ちょうどには120%のパフォーマンスで仕事に取り組んでいるから、ぜひ君も先輩たちの加速力や瞬発力に一日でも早く追いついてもらいたい、という内容なのです。
先輩社員の声を伝える場合も、どんな仕事を任されているか、も大切ですが、それだけではなく、日々どんな働き方をしているのか、どのような心構えで仕事に取り組んでいるのか、という内容なのです。
我が社には●○な福利厚生制度があります、ワークライフバランスを重視しています、という伝え方ではなく、入社1年目の社員が●○制度を利用している実際の人数を伝えるべきであり、有給休暇の会社全体の平均取得率ではなく、応募学生が入社後に配属されることになる部署の直近1年間の最も若い社員の取得日数を伝えるべきなのです。